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ガチャの炎上問題で見えてきた、富裕層でもないのに富裕層の肩を持ち自分の首を絞めたがる人の存在に疑問を感じたので、考察してみたい。(とはいっても雑な文章ではあるが)

少し前に世を騒がせたグラブルのアンチラ70万円問題。ここで問題になったのは期間限定のSSRキャラが70万円をつぎ込んでも手に入らなかったということで、

・排出量を他より下げているのではないか、これは許せない。という暴利を貪る企業に対する義憤の問題
・天井なしのガチャを回させることでユーザーの歯止めが効かなくなって経済的被害を被るのではないかという倫理的な問題。

ここで気をつけなければいけないのはこういう問題提起は実際のユーザーよりも外部から大きく上がったということが一つ。
ここで生まれる認識の齟齬が、

・外部から見るとユーザーは企業に騙され搾取されている。
・ユーザー側は運営の手口なんか分かった上でこのゲームに乗っている。引き際も見極められないやつの方が悪い。

となる。

つまり、ガチャ方式のソーシャルゲームはギャンブルと同じ。ということについての論争のように思う。

グラブルではこの外部からの突き上げを受けて、ガチャの仕様を下記のように変更した。
・全てのガチャ排出アイテムの排出率を明記する。
・ガチャに90000円の天井を設け、90000円相当(無償アイテムの使用も含む)をガチャで消費したユーザーに対しては、ユーザー側が提示したキャラクター(主にそのガチャでの目玉アイテム)との交換権が与えられる。

ここまでが世間に公表された事実である。これをもって、炎上騒動は鎮火。外部の義憤に燃える人々は、満足してこの問題から撤退した。(ということにしておく)

ここからはグラブル内部の話。先の仕様変更によってより健全になったガチャには、もう一つ変更したことがあった。

・新登場のSSRがすべて期間限定になった。

これまでであれば、SSRキャラであっても、水着、ハロウィンなどの季節ものを除いては、恒常排出のラインナップに含まれており、排出確率がアップしている初登場の期間を過ぎても、当たる確率は下がるが、ガチャを回していればいずれは出る可能性があった。グラブルに関して言えば、恒常であれば確実に欲しいキャラを獲得できるサプライズチケットというサービスも不定期ながら実施されるので、欲しいならばそれを待つこともできた。

しかし、今回の変更で期間限定になったことにより、SSRキャラを欲しいと思っても、待つことが得策ではなくなった。欲しければ限られた期間内に確実に手に入れなければ、次いつ手に入るかわからないということになった。
かくしてユーザーはSSRキャラを確実に獲得するために90000円の壁に挑むこととなった。
むろんこれまで通り自らの懐具合と相談して引際を見極めるユーザーも多い。
しかし、例えば、50000円使っても欲しいSSRが出なかった。これまでならここで撤退していたユーザーに、あと40000円使えばSSRが手に入れられる、という選択肢が生まれた。

これはつまり、これまで90000円以上使っていたユーザーに90000円しか使わせない代わりに、これまで50000円使っていたユーザーに90000円使わせるように仕組みを変えたということである。

慈善事業ではないので、収益を維持しなければならないのだから、裕福な廃課金者という突出した収入源が失われた以上、次にお金を使う集団から収益を上げるという方策に変更したことは、当然のことだ。

結局外部からの圧力が、コミュニティにより平等な負担を生み出したというのがこの炎上問題の結末だったのだ。
外部の人間にはこの負担は一切関係がない。外から助けたつもりで、中で暮らしてる人たちをより苦しい状態に陥れただけとも言える。これはかつてのコンプガチャ騒動でも見た光景だ。

グラブル問題についての事象の解説はここまで。
本題はここから。

現実として、ソーシャルゲームが基本無料でサービスを提供できる理由は、射幸心を煽ったガチャの収益、それもごく一部の廃課金者の落とすお金に依存しているからという事実がある。
彼らがいるおかげで、ゲームは維持され、無課金のユーザーも楽しめているわけだ。

以前からソーシャルゲームとベーシックインカムの類似性について考えていた。
無償のログインボーナスでもらえるアイテムを活用することでユーザーは無課金でも資産を蓄えてゲーム内で強くなることができる。無論、積極的に課金をすればログインボーナスやゲーム内のドロップアイテムに頼った無課金者よりも有利になる。これは働かなくても生活が保障され、積極的に労働に取り組めば、より生活を向上させられるというベーシックインカムの発想に近い。

この考えと、今回のグラブル問題を絡めて、人々の感情がベーシックインカムの世界にどう作用するのかシミュレーションしてみたい。
娯楽への課金と、税金を一緒に考えることの乱暴さは一旦置いておく。

ごく少数の廃課金者が多くの無課金者を支えるというソーシャルゲームが基本無料であることの仕組みをベーシックインカムに当てはめれば、富裕層からの多額の税収が、低収入層に付与されるベーシックインカムの源泉ということになる。(ここでは収入に応じた納税が適切に行われているものとする)

1、富裕層から多額の税金を取っていた社会で、国家の納税額に対する見返りが少ないだろう、取りすぎだという声が当事者以外から上がる。当事者は納得ずくで税を払っている。
2、国家は課税の仕方を改め、富裕層への課税額をおさえる代わりに、富裕層の次に収入を持っているグループへの課税を強めるべく、インセンティブを用意した。
3、税収のピラミッドの頂点が平らになり、より多くの負担者が現れる。そして富裕層だけが負担を軽減される。

ざっとこのような感じか。
税負担を好き好んでしたがる人間もいないので、一緒くたには語れないというのもわかった。

ガチャの炎上問題で怒りの声をあげていたのがどういう層なのかははっきりしないが、このシミュレーションで富裕層の負担に文句を言う者がいるとすれば、それは富裕層自身に他ならないだろう。

ベーシックインカムの世界に当てはめた場合、富裕層でもないのに富裕層の肩を持ち自分の首を絞めたがる不可解な存在は出現しないということが分かった。小さなコミュニティである、ゲームサービスとすべての国民が参加者である国家とを同列にも語れない。国家の問題は全体の問題なので無責任に煽る外部が存在しにくいからだ。(賛成反対という立場からはあるかもしれないが、本考察はすでに成立したシステム内の話をしている)結局、ネット上の炎上という現象の中でのみ存在するものだったのだ。

ただ、このシミュレーションでは、ガチャにおけるSSRのような、課税に対する見返りがはっきりしないというのがよくわかる。現実にもそういうものは存在していないだろう。
そこをクリアすればベーシックインカムを現実に反映させることに一歩前進できるのではないだろうかという気はするということをもって、考察を終わりにしたい。
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